神戸短歌賞
短歌をぼんやりとはじめてある程度経ったので、まずは地方賞からという感じで神戸短歌賞に投稿してみました。
結果としては、全体得票数3位(新人賞次席)という感じでした。1次審査で新人のなかでは得票数がもっとも多かったのですが、2次審査であえなく落選とのこと。
また頑張ります。
以下投稿した拙歌20首。
闇に消えゆく眠り姫たち
人が死ぬ自宅近くの踏切音聴きながらにして過ごす夏の日
茫洋をところかまわず青として空のパズルに組み込んでいく
思い出はハサミでしゃんと切れて落つ足先のない男のはなし
星座表と星を較べて知る星のかがやきはいつもいつもまぼろし
仏壇の花の種類を数えつつ色彩感覚きたえゆく夜
右に人、左に人の小宇宙向かいの人だけわれを見ている
酸の空から降りそそぐ酸の雨アンドロギュヌス胎から出でたり
横顔がきれいなあの子の横顔がきれいなだけの窓の光景
ミキとミカふたりはいつも仲良しで「美」の字をめぐって殺しあってる
出来損ないの人間が出来損ないのフルーツを間引く果樹園
感嘆符飛びて交じりて列をなす数学Ⅱ・Bの森闇ふかし
浴びるよに酒!酒を飲むモーリス・ユトリロの白の乾きたる日々
トラックを駆けずりゆくは寧馨児黒きひとみを地にたずさえる
不連続自傷のこりし手を取ってmichaelの母は僕を撃ったね
リフレイン・リフレイン・リフレイン終わらない衝動と縄のあと
曳航するふたつの船の闇に出で闇に消えゆく眠り姫たち
イヤホンを突き抜けし部族の祝祭は人食人たるわれの雄叫び
金色のメッキ剥げたる銀色の身体は夜の闇にとけゆく
まなざしは天蓋にあり股割れの血に染められし気高きアリス